バチカン市国研究について1
特に今のところネタがないので、自分が少し調べていたバチカン市国の外交について語ってみようと思います。
ではまず研究するに至った背景から。
バチカン市国に初めて触れたのは大学で参加してたサークル活動でした。特にクリスチャンでもない私は、バチカン市国を「「HEL○S○NG」に出てくる第13課特務機関イ○カ○オ○みたいな組織だろ」という明らかな偏見をもって眺めていました。そのため世界史に出てきた魔女狩りや異端審問、十字軍のように神のためなら何でもやる一致団結した宗教団体としてこの国を捉え、政治学的にちゃんと理論だった見方を出来ずにいました。
↑大体この人のせい
しかし冷静に考えてみればこうした見方はおかしなものです。よく外交では「本音」と「建前」があり、各国の表の主張(建前)をその国の情勢や状況、利益から再解釈して真の主張(本音)をちゃんと読み取らねばならないと言われます。しかしバチカン市国に関しては、まるで判を押したように「信徒拡大」や「信教の自由の保護」や「教皇の権威回復」などといった主張をあたかも「本音」であるかのように扱う分析が並びます。しかし冷静になって考えれば、これらはいずれも「ローマ・カトリック」固有の利益であって、バチカン市国という主権国家以外の国にも当てはめられる一般化された利益とは言えません。故にこのままでは主権国家体制を基盤とした国際政治学という学問とその理論にバチカン市国は組み込めなくなってしまいます。言い換えれば、私たちはこれまでバチカン市国を見ているつもりでいながら、その実バチカン市国を主権国家体制から外した存在として特別視していたのです。
そこでバチカン市国を国際政治学にきちんと繋ぎ止めるためにバチカン市国の外交政策のモデル化をやってみようと思いました。それが「地獄の門」を開くきっかけとなりました。