夢日記3
昔こんな夢を見た。
車を運転していたら事故を起こした。首からフロントガラスに突っ込んだが奇跡的に無傷だった。そうこうしているうちに警察や救急隊員が駆けつけ、私は病院に搬送された。
病院に着くとまるで風邪の診察でもするように回転椅子のある診察室に通されて椅子に座らされた。目の前の医者は同じ学部の親友だった。確かにあいつは医者だったなと納得した。するとその親友は私を見て、
「あなたは既に死んでいますので死ななければなりません。」
とあっさり告げた。なるほど、確かに死んだのかもしれないなとすんなりこれを受け取った。平素から物事をすっぱりという奴だったので仕事でも変わらないんだな、と私はむしろ感心していた。
「では腕を出してください。」
言われるままに腕を出すと、親友は何かを注射した。
「これは24時間後に死ぬ遅効性の毒です。お大事にしてください。」
私は礼を述べて診察室を後にした。
あと24時間で死ぬ。不思議と焦りはなかった。車を運転したりしてゆっくりと休んでいると、段々体の末端の感覚がなくなってきたのが分かった。これが死につつあるということなのかと変に感動した。死んでいくならその過程を精一杯楽しもう。私の心にはいつからかそんな決心がついていた。そして段々息が細くなり、身体も動かなくなっていった。遂に心臓が止まったとき、完全な静寂が自分に訪れた。
「なるほど、これが死ぬということか。」
私は満足して死んだ。
ここで目が覚めた。