『イノセンス』考1

『イノセンス』、いいですよね。高校生の自分にとってかなり衝撃的な映画でした。元々攻殻機動隊は大好きで『GHOST IN THE SHELL』や『S.A.C.』をちゃんと履修していたものの、初めて『イノセンス』を見たときにはまるで別の映画を見てる感覚にとらわれました。元々台詞に引用や含みのあるものが多い攻殻機動隊ですが、『イノセンス』はそのほとんどが何らかの文献からの引用で占められていました。故に一度見ただけでは正直ストーリーすら録に分かりませんでした。このような作品は生まれて初めてでした。この時初めて同じ作品を繰り返し見る意味が分かった気がします。そういう意味でも『イノセンス』が自分に与えた影響ははかり知れません。
さて、そんな『イノセンス』を私がなんとか理解しようとした時に鍵となったのは、皮肉にも『イノセンス』を難解な作品にしてしまった台詞でした。何回か見直して考えていたとき、これだけ文献からの引用が多いと言うことは、そうでもしないと伝えられないほどの膨大な情報がこの作品の台詞に込められていると気付きました。そしてそれは一つ一つのシーンにも言えることであるとも同時に気づきました。したがって全てのシーンや台詞には全て意味が込められているという前提に立ち、なんということはないように見えるシーンもじっくり観察するようにしました。こうしたこともあって、もはや自分にとって『イノセンス』の鑑賞は、微細な変化をも見逃すまいと顕微鏡でプレパラートを覗く研究者の観察に親い行為となりつつあります。
では次回より『イノセンス』の考察を始めていきます。お楽しみに
